POP UP Report ― amanai 鎌倉

馬革ブランド 五分 イベント

2025年9月、鎌倉のギャラリー【amanai】でポップアップイベントを開催しました。
「ブランドとしての空気感を体感してもらう」をテーマに、馬革の持つ魅力を空間全体で表現。訪れた人々が革の香りや手触りを通じて、GOBUというブランドを感じられるような8日間となりました。

イベントを終えて、開催の背景や振り返り、これからの展開を聞きました。


鎌倉開催の背景・想い

――鎌倉でのポップアップイベント、まずは開催のきっかけから教えてください。

代表・岩井:実は今回のきっかけは、僕が知人からamanaiさんの存在を聞いたことから始まります。鎌倉に在住のデザイナーの方が以前、鎌倉のギャラリー「amanai」で展示をされたことがあって、「すごく雰囲気が良いよ」という教えてくださったことが最初でした。

馬革ブランド 五分 イベント

――そこから今回の開催に繋がったんですね。

岩井:そうですね。鎌倉という土地の空気感も好きでしたし、GOBUとしても落ち着いた場所で自分たちのプロダクトを直接届ける機会をつくりたいと考えていました。
そんな時に、amanaiさんから「次の秋口にPOP UPを開催してみませんか?」というお声がけをいただいたんです。

――最初は自分たちから提案したというより、声を掛けてもらった形だったんですね。

岩井:僕たちからお願いしたというよりは、流れの中で自然とご縁が生まれた感じです。
初めてamanaiさんに伺ったときにもウールセーターのブランドさんが展示販売をされていて、とても良いなと感じました。鎌倉という場所にはもともと惹かれていたので、話をいただいた時点で「ぜひお願いしたいです」と二つ返事でお話が進みました。

――開催を決める際に迷いはありましたか?

岩井:ブランドとしてどんな形で出るのが良いのかを考えました。
販売イベントというより、「五分としてのフィロソフィー」をどう表現できるかに重きを置きたいと思い、ギャラリーが閉店している日に足を運んで空間を採寸させていただきました。
商品の売上だけを目指す場ではなく、ブランドとしての空気感を体感してもらう場にしたかったんです。

馬革ブランド 五分 イベント

スタッフ・横山:鎌倉という土地柄もあって、来てくださる方も落ち着いた雰囲気の方が多かったです。だから、派手な演出よりも、静かに手に取ってもらえるような空間づくりを意識しました。

岩井:そう、結果的にそれがすごく良い方向に働いたと思います。鎌倉の街のトーンとGOBUの世界観が自然に重なったような感覚がありましたね。
余談ですが、鎌倉には流鏑馬(やぶさめ)が開催される馬にゆかりがある神社もあり、馬で繋がったご縁も感じることができました。


会場デザインと世界観の演出

――会場となったamanai、とても印象的な空間でしたね。どんなイメージで空間づくりを考えましたか?

岩井:ギャラリーの雰囲気に合わせた“余白”を意識しました。場所の静けさや光の入り方を見たときに、「ぎゅっと詰め込むより、呼吸できる空間にしたい」と思ったんです。
馬革の質感や香り、表情が際立つよう、できるだけ構成はシンプルにしました。

馬革ブランド 五分 イベント

――確かに、展示というよりは“空間そのものがブランドの一部”のような印象でした。

岩井:そう言っていただけると嬉しいです。
商品単体を見せるよりも、「GOBUの世界に一歩踏み入れる」ような体験にしたかったたとえば展示台に製品になる前の”一枚の革”を敷いて、「もともとはこういう革から、バッグやお財布ができているんです」とお客様に説明したりもしました。

横山:什器はamanaiさんに元からあったものを使わせていただきましたが、僕らがコレクションしている馬の置物、青森の書籍などを持ち込みました。それらがギャラリーに“溶け込む”ようにして、空間がまとまった感覚がありました。

岩井:僕らは「馬革」という素材に惹かれてブランドを始めたわけですが、それを“強く主張する”のではなく、“自然体のまま存在させる”ことが大切だと感じています。
今回の展示は、その考えを空間全体で表現する実験のようなものでもありました。


オフラインだからこそ感じられる馬革の魅力

――今回のポップアップでは、いくつかのアイテムが並びましたね。

出展ラインナップはどのように決めたのですか?

岩井:鎌倉という場所のトーンを考えたときに、“生活の中で長く使えるもの”を中心に選びました。五分のアイテムの中でも、日常にすっと溶け込むようなものを持っていきたかったんです。

たとえばルームシューズやオーバルボックスは今回の展示に合わせてつくりました。革の柔らかさや手仕事の温度感を生活の中で感じてもらえるプロダクトです。
イベントを終えて、今後ブラッシュアップしての販売も予定しています。

馬革ブランド 五分 イベント

――来場されたお客様の反応はいかがでしたか?

岩井:みなさん驚かれるのは「馬革って、こんなに軽いんですね」ということ。あと「思っていたよりも優しい手触り」という声も多かったです。

革というと重厚で堅いイメージを持たれがちですが、五分のプロダクトはその逆で、“しなやかさ”や“呼吸感”を大事にしています。


未来のお客様との出会い

――実際にお客様と直接お話ししてみて、印象に残ったことはありますか?

岩井:ふらっと入ってこられる方が多かったんです。でも、皆さん一度足を止めると、すごく丁寧にプロダクトを見てくださいました。

あるお客様は「この革、呼吸してるみたい」と言ってくださって、そういう言葉に出会えてとても嬉しい気持ちになりました。

馬革ブランド 五分 イベント

横山:若い世代の方も意外と多くて、SNSで見て来てくださったという方もいました。

「まだ学生なんですが、いつか買いたいので今日は見るだけでも」と言われて、 その方が革を触りながら「いつか絶対に欲しい」と言ってくれたんです。

そういう“未来のお客様”との出会いも嬉しかったですね。

岩井:接触の回数や時間の積み重ねで、僕らの活動が伝わっていったら嬉しいですね。今回のようなポップアップは、その“最初の接点”としてとても大事だと感じましたし、来年もこの場所でイベントを開催したいなと考えています。


イベントはブランドの芯を伝える場

岩井:すごく穏やかで、静かな三日間でした。決して来場者数が爆発的に多かったわけではないんですが、ひとりひとりとの会話が濃くて、終わった後に「良い時間だったな」と自然に思えるイベントでした。

横山:プロダクトの背景に興味を持ってくださる方がほとんどで、「どうして馬革なのか」「どうやって作っているのか」という会話が自然に生まれました。

ブランドの“芯”を伝える場になったと思います。

馬革ブランド 五分 イベント


今後の展開と、これからの五分

岩井:今回のポップアップを通じて、あらためて「人と直接会うこと」の価値を感じました。

オンラインでもブランドを知ってもらうことはできますが、やっぱり空気感や質感は画面の向こうでは伝わりきらない。だからこそ、今後も定期的にリアルイベントを続けていきたいと考えています。

馬革ブランド 五分 イベント

横山:イベントを重ねるごとに、ブランドの“輪郭”が少しずつ明確になっていく気がします。お客様と会話して気づくことも多いので、現場での声をこれからのプロダクトづくりにも反映していきたいですね。

岩井:良い物を作るだけじゃなく“どこでGOBUと出会っていただけるか”を大事にしたいとも思わされました。その意味で、鎌倉での8日間は、五分にとっての“これから”の形を象徴する時間だったかもしれません。


静かに、確かに、息づくブランドへ

鎌倉の静かな街で開かれた小さなポップアップイベント。
語られたのは、売上や話題ではなく、“ものづくりと人との距離”だった。

五分が大切にしているのは、革のようにゆっくりと馴染み、長く寄り添う関係性。
その姿勢が、この8日間の中で穏やかに、しかし確かに伝わっていた。

インタビュアー|Takeshi Harashima

関連リンク:GOBU | 五分 展示会(amanai様 ホームページより)